【蹴球観戦放浪記】FUJI FILM SUPER CUP: 川崎フロンターレvs浦和レッズ
いよいよJリーグが開幕する。今週はJリーグの開幕を告げるFUJI FILM SUPER CUP。
結果から先に書くと、浦和江坂選手の2ゴールで浦和が快勝。川崎はまだまだコンディションが上がっていないという状況だが、昨年から軸となる選手が移籍をしてしまったので、まだまだ改善が必要だろう。特にチャナティップ選手を獲得したが、左サイドでドリブルで仕掛けをする三苫選手や長谷川選手の移籍というのが大きい。ボールキープはできているが、変化をつける選手がいないのが痛い。
浦和は守備が良かった。大きく三段階に分かれていたと思う。
前半15分までは、ロドリゲス監督が一気に勝負をかけてきたのがわかる。
川崎の2CBに対して、江坂選手、明本選手が激しくプレスをかけて、両サイドバックに対してもハイプレスをかけてきた。川崎のへそとなるシミッチ選手にも柴戸選手が激しくプレスをかけて自由にさせなかった。
このプレスが功を奏したわけではなかったが、この段階で1点を取れたのは大きい。
正直このプレスで90分持つのかと思っていた。
15分を過ぎたあたりから、川崎がうまく立ち回ってきた。両サイドバックがさらに高い位置をとり、そのサイドバックを自分の前において対応したい浦和の両サイドが下がった影響から浦和の2トップが孤立してしまい、川崎にボールを回される展開となった。しかし、縦の関係では間延びしてしまったものの、DFとMFの縦関係、横関係はバランスを取れており、ボールを回されても最後のシュートを打たせるシーンは少なかった。こういったところで、三苫選手や長谷川選手のような何枚か剥がせるドリブラーがいないのは少し辛いところ。
後半に入ってから、浦和は明本選手の1トップ、江坂選手を左、岩尾選手の1アンカーの形に変えてきた。2CBへのプレスは捨てて、明本選手は相手アンカー、2列目4人の選手はそれぞれマンマークで対応し、修正を行ってきた。川崎はボールは持っているものの、前半以上に何もできなかった。
浦和は立ち位置も素晴らしいかったと思うが、選手個々のインテンシティも激しかったと思う。Jリーグだとプレスに行く場合も個人で取り切るというよりはパスコースを切って、遅らせることを重きがおかれた守り方が多い。しかし、この日の浦和の選手は自分で取り切るという寄せた距離感が近いように感じた。
岩尾選手は相手2人の間にポジションをとり、嫌な位置でボールを受けていた。また、ハイペースで入ったチームを落ちつかせるようなボール捌きをしており、チームのリズムに変化をつけていた。得点に直接絡むようなプレーは少なかったが、徳島にいたときのように攻守にいいポジション取りをしており、徳島ファンの自分は引きの映像で背番号が見えてなくても岩尾選手がどこにいるかわかった。
2点を奪った江坂選手はもちろん、岩尾選手、明本選手、柴戸選手、酒井選手などよかった選手は多かったですが、管理人は関根選手が印象的でした。昨シーズンまではサイドに入って縦突破っていうイメージでしたが、この試合ではライン間で受ける動き、受けて叩くなどプレーが変わった気がする。
後半30分の浦和のチャンスシーンはファウルですよね・・・・。
この浦和にロドリゲス監督だけでなく、徳島に所属した岩尾選手や馬渡選手、スタッフにも前迫氏、小幡氏などがいることが誇らしい。点には繋がらなかったが、前半のデザインされたCKは徳島時代にもよくみられたものだった。
中堅クラブを応援しているからだろうか、徳島がJ2に降格したからだろうか、移籍した監督、選手、スタッフが活躍してくれたことが嬉しい。身近にいた某クラブのサポーターがいろいろな経緯があるとは言え、移籍した選手の悪口を言っていたが、不思議とそんな気持ちが起きなかった浦和の勝利だった。