石井秀典選手引退
2022年から岩尾選手の後を引き継ぎ、キャプテンを2年間務めてくれた石井秀典選手の引退が11月1日に発表された。Xをみると徳島のサポーターのみならず、山形サポーターや選手からも惜しむ声が多く、石井選手の人望の厚さが伺える。
石井 秀典選手 現役引退のお知らせ
ここ2年間はキャプテンだったものの、本人も怪我が多く、十分に稼働できたとは言えないので、思うところもあるが、出場すると必ずと言っていいほど活躍してくれる。ピッチだけでなく、練習でもチームを支えてくれたと想像できる。特に今シーズンは若い指揮官を迎え、序盤は全然結果も出ず、かつ本人は出場できない時間が続いたので苦しかっただろう。
石井選手はキャリアのほとんどはJ2であるが、山形、徳島ではJ1への昇格(そして降格も)を経験しており、それぞれのクラブでも在籍期間が長い。高校時代からのキャリアをみると、高校は市船しかも増島元選手、カレンロバート元選手と同期であり、確か天皇杯でも高校が勝った市船の黄金期、そのあとは明治大学と日本サッカーのエリート。
降格した2015年徳島に移籍をしており、リカルド体制になる前から在籍していたことになる。リカルド1年目は見ておらず、2年目から観ることになるのだが、最初はポジションを確保できなかったようだ。日本のエリート街道を通ってきた選手はスペイン式に適合するのは苦労することが多いが、そのまま腐ることはなく、シーズン後半にはレギュラーを確保している。
引退後の去就はまだ発表されていないが、こういった選手がクラブに残ってくれると嬉しいし、選手が残ることによって歴史を作ることになるし、アンダー世代のコーチになってくれれば、スペイン式にどう適合していたのか経験を伝えてくれると若い選手のいいお手本になる。
あんまり好きな言葉ではないが、日本の王道のサッカー人生を歩んできた選手が急にスペイン式を導入した際に考え方など大きく異なるので迷うこともあっただろうが、いつの間にかレギュラーに戻ってくる、何歳でも柔軟に新しい考え方を前向きに取り入れていく姿に勇気を与えられた。そういった選手がクラブの歴史をつなぐスタッフになってほしいなと勝手に考えている。
岩尾選手もいなくなり、リカルド時代からいる選手もどんどん少なくなっているが、来季はどうなるのだろうか。こう言った発表は例年遅いのだが(2年前は降格争い、昨年は昇格争いを最終節までやっていたからもあるが)、今季は残留は決めたので(これはこれで寂しい結果だけど)、11月4日に引退の挨拶もできるようだ。苦しいシーズンにキャプテンを務めてくれた石井選手を直接サポーターが送り出せるのはいいことだ。